成功哲学実践の心構え
●成功哲学実践のマインドセット(心構え)
父親が死んで21歳で家業を継いだものの、結局はつぶしてしまい、次々と新しい事業に取り組んでいた30歳くらいまでのあいだ、私は、成功の足がかりを必死で探していました。
「成功」と名のつく本は、かたっぱしから手に取り読破していました。
その中には感銘を受け、暗記するほど繰り返し頭に叩き込み、よし、これは自分でもできそうだからと実行してみたものも数え切れないほどあります。
でも、そのときやっていた事業は次々と失敗してしまいました。
本のとおりにやっているのに、なぜだろう。
こんな不信感をずっと持っていました。
やっぱり他人の成功談は自分には何の関係もないんだな、成功した人が書いただけのお題目にすぎないんだな、と。
そうしているうちに、氣がつけばいつしか私は目の前の現実に追われ、借金取りに追われ、そして浜松でホームレス生活をしていました。
その浜松で、「もうこれが私のどん底だ。それならとことん本能のままに生き抜いてやろう」と腹を決めた私は、必死に毎日を生きることだけに集中しました。
捨ててあったストーブを拾い、それをきれいに加工、修理して売り、少しずつ一歩一歩、なにがしかの金を得ることができるようになりました。
このとき私は、ふと昔のことを思い出していました。
若い頃に読んだ何十冊もの成功法則の類の本が、頭の中によみがえってきたのです。
「ゴミ屋だろうと一部上場企業だろうと、成功の法則は変わらないはずだ。」と思った私は決心しました。
「よし、今度はこの本に書いてあること、すべてをやってみよう」
私はそう決心したのです。それは昔、さまざまな事業を繰り返しながら片手間に読んでいたのとはわけが違います。
本に書いていること、それと徹底的に同じことをやるのです。
何も疑わない。我流を一度全部捨て、自分の考えは一切さしはさまないのです。
そして期間は3年間にしました。
「石の上にも3年」と言いますが、この言い古された言葉も本当だろうかと試す気持ちがあったからです。
3年間、徹底的に成功者の真似をして氣づいたことは、若いころにやったつもりでいたのは、決して「学ぶ」ということではなく、自分に都合のいいところだけをつまんだにすぎないということでした。
我流の中にちょこちょこと成功者のアドバイスを取り入れたつもりになっていて、それでいて、「成功しないじゃないか」と不満を言っていたのです。
その成功法則を徹底的に頭に叩き込み、ゴミを拾ってきては、それを修理して売る。
3年間それをやったとき、売り上げは、1店舗で1億1千万円になっていました。
「成功」するには、「設計図」をきちんとつくり、そのロジックに従わなければだめだということを、私はこの3年間の経験で身をもって知りました。
(後略)
堀之内九一郎(「野良犬の成功法則」 サンマーク出版)より
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